シャーロック・ホームズの冒険データベース

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ショスコム荘 SHOSCOMBE OLD PLACE

ストーリー

ホームズは軍人傷病年金の半分を競馬につぎ込んでいるワトスンにショスコム荘について尋ねる。ワトスンの話によると、ショスコム荘で調教場を営んでいるサー・ロバートは危険な男で、数ヶ月前に金貸しブルーワーを鞭で叩いたことがあった。ホームズは金貸しサミュエル・ブルーワーの失踪の件で相談したいという電報が届いたと打ち明ける。暫くして依頼人ジョン・メイスンが221Bやって来て事情を話す。

ショスコム荘のサー・ロバートは多額の借金を背負っていた。その借金を返すために自らが所有する競走馬ショスコム・プリンスに全てをつぎ込んでいたのだったが、馬が負ければ破滅の運命が待っていた。先日もブルーワーがやって来たが、今度来たら手痛い目に遭わせると忠告した。

サー・ロバートの姉ベアトリスも馬好きで、午後になるとよく馬を見に来ていたが、ここ1週間は厩に立ち寄ることもなくなったどころか、あんなに仲が良かった弟とも口を聞かなくなった。

メイスンは弟のサー・ロバートと激しい口論をしたと睨んでいた。姉ベアトリスは地代を得ていたが、サー・ロバートが使い込んでいたし、その地代もベアトリスが亡くなれば亡夫の弟に所有が移ることになっていた。更には水車小屋で鳴いていた姉の愛犬のジャスパーを処分しろと命じる。犬はサンディ・ベインにやり、ベインは青龍亭の主人に預けた。

奇妙なことに夜になると度々サー・ロバートがどこかへ出かけるので、後をつけると、荒れ果てた教会で誰かと話し込んでいた。地下の暖炉からは人骨まで見つかる。サー・ロバートがサミュエル・ブルーワーを殺害したのではないかとメイスンは心配していた。

ホームズはヨークの本命馬が絶好調との電報を打ち、サー・ロバートがショスコム荘から出払った隙に捜査を始めた。メイスンにあれから変わったことはないかと聞くと、地下室の暖炉で骨を見つけたハーヴィーが同僚の金を盗んで解雇されたという。

青龍亭の主人からジャスパーを借りたホームズは、ベアトリス夫人の馬車が通る道で待ち伏せし、馬車が来ると犬を放すが、メイドが犬を近づけないよう追い払い、犬は馬車を追わなかった。更に地下の暖炉を調べると、S・Bの頭文字のついた財布が見つかる。

ホームズ最後の短編

原作は、1927年にコナン・ドイルがホームズ物として最後に発表した短編です。ドラマはやや退屈ですが、映像は「ソア橋」と比べると綺麗ですし、イギリスの田舎町の風光明媚な景色が楽しめます。姉弟愛がなんともジーンと来るお話です。サー・ロバートになんとか大目に見てくれと頼まれ、ホームズは小さく頷きます。

ワトスンの着ていた襟の大きな仰々しいコートは、記憶が正しければ、ストランドマガジンに掲載されていた挿絵を同じコートだったと思います。どことなく20世紀風のコートに見えます。サー・ロバートに頼まれて往診に来たと嘘をついて時間稼ぎをしているワトスンと執事とのやりとりが何ともコメディタッチで面白いです。

また、この回では、若き日のジュード・ロウが物語のキーパーソンとして出てきます。後にジュード・ロウは、ロバート・ダウニーJr主演の映画「シャーロック・ホームズ」でワトスン役を演じることになります。

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