シャーロック・ホームズの冒険データベース

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まがった男 THE CROOKED MAN

ストーリー

マローズ連隊の連隊長バークレー大佐が邸で死んだ。側で倒れていた妻のナンシーに疑惑が集まる中、友人のマーフィ少佐はホームズに事件の解決を依頼する。

バークレー大佐は一兵卒より身を起こした人物で、インド反乱の際に軍勲を立て、トントン拍子に出世していった。若い頃のナンシーは連隊の花で、孤立した連隊の救出劇の数ヶ月後にバークレーが射止めることになったという。

幸せそうに見えた二人だったが、クリミア戦争やアフガン戦争などの昔話に花を咲かせている際に、バークレー大佐は茫然自失となる事が度々あった。

事件の起こった「朝の間」には、奇妙な手製の棍棒と動物の足跡が残されていた。召使いの証言によると、事件のあった夜、救貧院でボランティア活動から帰ってきたナンシーが夫のバークレーと「朝の間」で口論となり、「デイビッド!デイビッド!」と叫ぶナンシーの声が聞こえてきたという。

邸の捜査を終えたホームズとワトスンは、ナンシーの友人であるミス・モリスンの元を訪れる。事件のあった晩、救貧院にひときわ見窄らしい東洋風のなりをした背の曲がった男がやってきて、ナンシー・バークレーは酷く衝撃を受けた様子だった。

ミス・モリスンの話から、男はインド帰りの元軍人で、軍人相手に手品を見せて生計を立てているという情報を掴む。軍人達の集う酒場に出向いたホームズとワトスンは、手品を披露する背の曲がった男と遭遇する。

スタンダードな一作

中学生の頃に、ジェレミー・ブレットのホームズ物ビデオで一番はじめに購入して、何度も繰り返し飽きるまで見ていました。名作の一つに入る短編で、ミステリーの他に、植民地での戦争を題材にした悲劇と因果応報の要素も盛り込まれています。背の曲がった男も、シドニー・パジェットの挿絵が巧く再現されています。

印象的なシーンは、メイドへの訊問です。暖炉の前で火掻き棒をぶらぶらと振りながら訊問するジェレミー・ホームズの姿はとてもスマートで、東芝から発売されていた初期のレンタルビデオ版の短いPR映像にも、効果的に使用されていたので強く印象に残っています。

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