シャーロック・ホームズの冒険データベース

グラナダTV版シャーロックホームズ & ジェレミー・ブレットファンサイト

ギリシャ語通訳 THE GREEK INTERPRETER

ストーリー

ある日、ワトスン博士はシャーロック・ホームズに兄がいる事を知らされる。数字に強く政府の会計検査院を努めているという兄マイクロフトは、弟シャーロックに劣らぬ推理力の持ち主だったが、野心と精力に欠けるために自ら捜査に乗り出すことはなかった。私語厳禁という風変わりな規約のあるディオゲネスクラブで兄が待っているというので、ワトスンは喜んで同行する。

クラブの一室に赴くと、マイクロフトが窓際に立って、弟を手招きした。窓の外にいる男の素姓を鋭い洞察力で互いに推理しあう兄弟に、ワトスンは感嘆する。

1階上の住人が奇妙な事件を持ち込んできたのでここに呼んだという兄に、ギリシア人メラスを紹介される。メラスは通訳の仕事をしていたが、夜中に突然ラティマーなる男に呼び出されて目隠しした馬車で屋敷に連れられると、包帯で顔を覆ったギリシア人の男が椅子に座らされていたのだった。

眼鏡をかけ、常に笑みを絶やさないケンプに書類に署名するかどうかを通訳しろと命じられたメラス。押し問答が続いたが、気づかれないように質問を付け足し、ギリシア人の素姓を探ると、ロンドンは初めてで3週間監禁され、食事も与えられていないという。もう少しで全てが明るみになる寸前にソフィなる女性が部屋に入ってきて、通訳は打ち切りとなった。

メラスはどうしても同胞を助けたくて、シャーロックに調べて欲しいと頼む。マイクロフトは既に新聞広告を打ったが、音沙汰無しとのことだった。連中も広告を見たと踏んだシャーロックは、身辺に注意するようメラスに忠告するが、既に魔の手がメラスの背後に迫っていた。

チャールズ・グレイの登場

この回で初めて、マイクロフト・ホームズ役を演じるチャールズ・グレイが出てきます。第4シリーズのブルース・パーティントン設計図でもコナン・ドイルの原作に出てくるので登場しますが、第6シリーズでも、チャールズ・グレイ扮するマイクロフトが、原作にはない大活躍を見せてくれることになります。

吹き替え版の方ではディオゲネスクラブと発音されていますが、グラナダオリジナル版ではダイオギネスクラブという発音です。初回のアイリーン・アドラーも本家ではエレーネ・アドラーでした。日本ではディオゲネス、アイリーン・アドラーの読みで定着していますが、イギリス本国では、我々には耳慣れない発音の方が正しいのでしょうか。

それにしてもラティマーとケンプはつくづく悪人ですね。特にケンプは終始ニタニタ笑いながら恫喝しているので怖さ倍増です。列車内で犯人二人を追いつめていくシーンに緊迫感があり、この話を原作にはない躍動感溢れるものにしています。

脚本家は悪人ラティマーに悲惨な死を与えています。余談ですが、眼鏡男のケンプは、宮崎駿の「天空の城ラピュタ」に出てくるムスカにイメージが瓜二つです。ムスカはあれほど下品な笑い方はしませんが。

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