シャーロック・ホームズの冒険データベース

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最後の事件 THE FINAL PROBLEM

ストーリー

フランスでのモナ・リザ盗難事件を解決し、ロンドンに戻ってきたホームズは3度刺客に襲われる。黒幕は先の赤毛連盟や盗難事件を指揮し、犯罪界のナポレオンと称される数学の天才モリアーティ教授だった。

ベーカー街に自ら乗り込んで、これ以上手出ししないよう忠告にやってくるが、ホームズは頑としてはねつける。既に警察の協力を得てモリアーティ一味に網を張り巡らせていたが、身の危険を避けるために、ヨーロッパ大陸に行かないかとワトスンに提案する。

逃避行の途上で一味を逮捕したとの電報を受け取るも、モリアーティと数人は逃げ延びた。モリアーティの追跡から逃れるためスイスにまで赴くホームズだったが、ワトスンが油断している隙に、二人は相まみえて格闘し、ライヘンバッハの滝壺へと消えたのだった・・・・・・。

モリアーティ教授との直接対決!

前回の「赤毛連盟」から話が続いていますが、原作では「最後の事件」との関連はありません。しかし脚色としてはとても巧くできていますので、ドイル自身も生きていたら納得していたかも知れません。

マイクロフト・ホームズがワトスンを駅まで送り届ける御者役で出ているのですが、目を凝らして御者を見てもチャールズ・グレイではないようです。エンドクレジットを見ても、マイクロフトを演じているチャールズ・グレイは出演していません。

この御者に変装した姿は、その後原作には出てこない「マザランの宝石」の回でチャールズ・グレイに演じられることになり、細を穿ったスタッフの心遣いでホームズフリークを喜ばせます。

モリアーティの犯罪模様が描かれた「モナ・リザ盗難事件」も原作には出てこない話ですが、犯罪のプロットとして巧くできています。オリジナルのモナ・リザが盗まれれば、画家に描かせた多数の贋作のモナリザを闇市場で高値で売り捌けるという算段です。

最後の滝壺に落ちるスタントはミステリードラマの中でも秀逸の出来で、今でもファンの間で語り草となっています。その後このシーンは「悪魔の足」や「未婚の貴族」での幻覚を見る場面でも使用されます。一番最後のシーンは明らかに人形を落とした感じがアリアリと出ていて、水に浮いている人形を見るにつけ、興を削いでしまいます。あれでは死体は見つからなかったというワトスンの記述が嘘になってしまいます(笑)

フィクションと分かっていながら、ラストシーンは毎回涙腺が緩んでしまいます。

この回で第2シリーズは終わり、1年ほどブランクを開けてから、「The Return of Sherlock Holmes」が放送されます。デヴィッド・バーグに代わり、エドワード・ハードウィックがワトスン役を熱演することになります。

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