六つのナポレオン THE SIX NAPOLEONS
ストーリー
221Bで、ホームズとワトスン、警視庁のレストレード警部が一緒に夜を過ごしていた。何か変わった事件でも抱えているかと尋ねるワトスンに、レストレード警部は奇妙な事件の話を始める。
モース・ハドスンで売られていたナポレオンの胸像が何者かに壊された。別の晩にはバーニコット博士の家に置かれていた同じ胸像が盗まれて玄関先で壊され、同じ夜に外科医院の胸像も壊されていた。そのどちらもハドスンの店で購入したナポレオンの胸像だという。ワトスンは固定観念に取り憑かれたアンチ・ナポレオンの犯行だと論じるが、話を聞いたホームズは、進展でもあれば連絡をくれとレストレードに頼む。
後日、中央共同通信社のホリス・ハーカー邸でもナポレオンの胸像が壊されるが、玄関先で死体が発見される殺人事件にまで発展してしまった。レストレード警部と捜査を競い合うことになったホームズは、モース・ハドスンの店で仕入れ先を尋ねると、ゲルダー商会を紹介される。
ゲルダー商会に赴き、支配人に遺留品の写真を見せると、その男はイタリア人のベッポで、かつてここで腕の良い職人として働いていたが、同じイタリア人を決闘の際に刺してしまい、服役中だという。ホームズは11日前にベッポが釈放されたと睨んだ。
ベーカー街に戻ると、レストレード警部が一足先に221Bにやって来ていて捜査の進展を述べる。被害者の身元を突き止めたのでイタリア街に出向き犯人を逮捕する予定だと話すと、ホームズはチヂックに行こうと誘った。
終始陽気なジェレミー
こちらも子供向けのホームズ物語によく採用されている話です。他の回では見られないくらい珍しく、終始ジェレミー・ブレットが陽気にホームズを演じています。ホームズ・ワトスン・レストレードの三役の掛け合いが面白く、ミステリーなのにちょっとした喜劇を見ているようで、1時間飽きさせません。特に普段は真面目なレストレード警部のコミカルな仕草が面白いです。
オリジナル版を見終わった後、NHK版でも鑑賞してみたのですが、吹き替えだとジェレミーがどれくらい陽気なのか分かりにくいです。冒頭の夜半の語りがカットされていたり、吹き替えが演技の微妙な綾を打ち消してしまっているからです。
夜中に犯人が来るのを待つシーンで、ワトスンがレストレードに「ハンバーグでもどうぞ」と勧める字幕があり、インターネットでも誤訳ではないかと指摘されていましたが、吹き替えではちゃんとキャンディーとなっています。他にもところどころ字幕が不自然な部分がありますので、そういう場合は吹き替え版と見比べることをお薦めします。