シャーロック・ホームズの冒険データベース

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ボスコム渓谷の惨劇 THE BOSCOMBE VALLEY MYSTERY

ストーリー

アリス・ターナーから私たちを助けて欲しいという手紙が届く。ホームズは休暇中のワトスンを引っ張り出して、のどかな田舎町にあるボスコム渓谷へと向かった。

事件のない平凡な田舎町では、オーストラリア帰りのウイリアム・マッカーシーがボスコム渓谷の沼地で撲殺されたニュースが新聞を賑わせていた。現場にいたクラウダーの話によると、ジェームズ・マッカーシーが血相を変えて父が殺されたと助けを求めたので、一緒に向かうと、ウイリアム・マッカーシーが沼のほとりで俯せに倒れていた。死体の側にはジェームズの銃が落ちていたという。

容疑者としてジェームズが逮捕される。マッカーシー親子が激しく口論しているのを、クラウダーの娘が目撃していた為、不利な立場に立たされていた。新聞によると、逮捕された時、息子は当然の報いだと口にした。死の間際、父はねずみ(ア・ラット)がどうとか呟いたという。

ホームズの宿泊しているボスコムホテルに訪れたアリス・ターナーは、誤審だと主張する。ジェームズが法廷で証言を拒んだ口論の種は二人の結婚についてで、ジェームズの父は熱心だったが、アリスの父は反対していたという。ジェームズは22という若さからか、結婚には乗り気ではなかった。アリスはジェームズを心の底から愛していて、彼の無実をホームズに訴えた。

全ての状況が不利に働いていたが、ホームズはジェームズに事情を聞きに留置所へ行く。久しぶりに里帰りしたジェームズは兎狩りに出かけると、父と沼で鉢合わせたが、父はなぜか早くここから消えろと急かす。口論の後、その場を離れてすぐに父の悲鳴が聞こえてきて、沼に戻ると父が俯せで倒れていたという。

アリスとの結婚を拒んでいる理由は、若気の至りで酒場の年上女と結婚してしまったことにあった。新聞で死刑になることを知って便りを寄越した年上女はすでに夫持ちだったことを知る。

現場に赴いたホームズは、実地検分の後、凶器は草むらに落ちていた石で、犯人は長身で左利き、右足が悪く、先の四角い狩猟用ブーツを履き、インド葉巻用のパイプで煙草を吸い、切れないペンナイフを持っている人物と断定した。

「シャーロック・ホームズの冒険」に収録の初期短編を映像化

本来ならデヴィッド・バーグがワトスン役だった初期シリーズで制作されていたであろう類の話です。昔買って貰った子供向けのホームズ本に掲載されていた記憶があります。NHKで観たときは、今まで新シリーズを放送してきて、一瞬初期シリーズに戻ったのかなと錯覚してしまいます。今でもたまにこれ初期シリーズじゃなかったっけと勘違いすることがあります。

しかしホームズ演じるジェレミー・ブレットがやや太って恰幅が良くなっているので、初期ではなく後期の作品だなとという現実に連れ戻されたりもします。シーンを捉えたスチール写真のジェレミーの横顔も、顎に肉がついていて太っているのが分かります。

ボルトン近郊のブロムリー・クロス採石所で撮影されたカウボーイの銃撃戦のシーンが盛り込まれています。エンドロールの音楽もまた西部劇風です。

ホテルのシーンでは、ワトスンがビロードっぽい素材の紫のジャケットと黒い蝶ネクタイの珍しい姿が見れます。

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