シャーロック・ホームズの冒険データベース

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這う人 THE CREEPING MAN

ストーリー

ワトスンの元に「暇ならば来い。暇でなくとも来い」との書き置きが届く。すこぶる機嫌の悪いワトスンが221Bを訪ねると、プレズベリ教授の娘は眠っていたのか否かという問題にホームズは直面していると打ち明けた。そんなことで呼び出されたのかとワトスンは呆れて詳細を問いただす。

プレスベリ教授の下で秘書をしていたジャック・ベネットの婚約者イーデス・プレスベリは、夜中に何者かが自分の部屋に入ろうとしたのを目撃し、気絶してしまう。恐怖が拭えないイーデスはシャーロック・ホームズに依頼するよう頼む。教授との関係もあり探偵に頼むのは気が引けたものの、フィアンセの願いも断れず渋々ホームズの元に相談に訪れることにしたのだった。

屋敷に赴いたホームズ達だったが、そこで予定より早く帰宅したプレスベリ教授と鉢合わせ、犬をけしかけられる。犬は勢いよく吼えたが、どちらかというと教授に向かって吼えているようだった。その後、今度はベネットが獣の影を見たというが、教授に疲れて何かと見間違えたのだろうと一蹴される。

今一度教授の部屋を探索したホームズ達は、コマーシャル街のドラーク商会と何らかの取引があったことを突き止める。ワトスンが代わりに探りに行くと、二人組の男にナイフで脅された。221Bに戻りホームズに店と人物の特徴を述べると、おそらく口髭ウィルコットだと言う。

動物園で猿の盗難が頻発していたことを新聞で知ったホームズは、ワトスンと共にドラーク商会に侵入する。地下室に猿の体液を採取する実験台があることを突き止める。口髭ウィルコックスと手下に襲われるが、返り討ちにし、ゴリラの檻に二人を閉じこめる。

そんな折、プレズベリ教授が年の離れた年下の女性から婚約を破棄される。教授が部屋に閉じこもりで呼んでも怒鳴るだけなのを心配した二人はホームズの元に相談に訪れるが、犬のロイが吼えた期間が2日ずつ縮まっている事や、今日も小包が届いたことから、おそらく獣が現れると見たホームズ一行は、プレズベリ教授の屋敷に急行した。

THE CASEBOOK OF SHERLOCK HOLMESの最後を飾る作品

今回は終始ワトスンの機嫌が悪いです。冒頭で呼び出された時やドラーク紹介で脅されて帰ってきた時などに苛立ちが見られます。右と左の足音が均等でなかったからアフガン戦争での古傷が痛むのかとホームズは推理しますが、肝臓が原因だと本人は言っています。現実でも肝臓が悪かったのでしょうか。

プレスベリ教授が、フィアンセである大きく年の離れた年下の女性に、婚約を解消されるシーンが哀愁を誘います。「You are old.Too old.」とハッキリ言われてしまってます。字幕では「あなたは年を取りすぎているわ」ですが、実際はどんな風な語感なんでしょうか。

今作品は「THE CASEBOOK OF SHERLOCK HOLMES」の最後を飾る作品となっています。その為か、映像は他の作品と比べても綺麗です。また動物園やドラーク紹介での乱闘など、原作と比べると改変部分が多いと感じる作品です。その後長編三部作が作られ、第6シリーズへと移行するのですが、原作に忠実な路線から脱却しようとしていた兆候が見られる作品でもあります。

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