シャーロック・ホームズの冒険データベース

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三破風館 THE THREE GABLES

ストーリー

ワトスンが221Bのホームズの部屋を訪れると、黒人ボクサーがホームズを窓際に追いつめているところだった。話を聞くと、或る人物から頼まれて、これ以上ハロウの件で詮索しないよう忠告しに来たという。機転で恫喝屋を追い返したホームズは、手紙をワトスンに渡す。依頼主の名はメアリー・メーバリーで、三破風館にまつわる奇妙な出来事について相談したいという内容だった。ふたりはハロウ・ウィールドの三破風館へと赴く。

三破風館の女主人メアリー・メーバリーは、ローマ大使館で書記官を務めていた孫のダグラスが病死してから、屋敷に一人で暮らしていた。ある日、不動産屋を名乗る男がやってきて、法外な値段で屋敷を買い取りたいのだが、条件として、身の回りもの以外の、家の中の家具から装飾品まで全てを持ち出してはいけないという。この条件のため、メーバリーは魅力的な申し出を断る。

話の途中、聞き耳を立てていたメイドのスーザンがホームズに引き出され、スパイ行為を行っていたことを白状する。孫の死の1週間後に推薦状無しで雇ったという。先の黒人ボクサーと同様、スーザンもギャング集団バーニー・ストックデールの一味だった。

孫のイタリアでの色恋沙汰が事件の遠因と見たホームズは、社交界のゴシップ記事執筆業ラングデール・パイクから情報を聞き出そうと試みる。渋々メモを渡されると、そこにはドイツの砂糖王の未亡人で、スペイン人の美女、イザドラ・クラインの名が記されていた。クラインはローモンド公爵との結婚を控えている身で、結婚に差し障りのある何らかの手紙を取り戻したいのではないかと推察する。

華やかな仮面舞踏会の夜、公爵の母はこの結婚には賛成でないことをホームズに相談する。そんな中、三破風館に賊が押し入り、メーバリーを警護していたワトスンが黒人ボクサーに襲われ大怪我を負った。孫が書き遺した事件の鍵を握る私小説について打ち明けるメーバリー。決定的な証拠を手に入れたホームズは、イザドラ・クラインと対決する。

華やかな仮面舞踏会と豪華ゲスト

過去にボンド・ガールを演じた女優クローディーヌ・オージェが、イザドラ・クライン役で出演しています。更に、エドワード・ハードウィックの娘が、ワトスンが手痛い仕打ちを受けて泣き咽ぶメイド役で出ています。配役の仕掛けが凝っています。ヘンデルの「水上の音楽」が流れる中での仮面舞踏会のシーンは、美しいの一言に尽きます。

グラナダテレビ版シャーロック・ホームズシリーズの最後となる第6シリーズがこの回から始まります。3部作を経ての映像は第5シリーズと比べても段違いで綺麗です。しかし残念なことに、主役のジェレミー・ブレットが前にも増して太ってしまっています。この点はジェレミーも詫びています。しかしこれは服薬の副作用なので仕方のないことですね。

体型のせいか病気が悪化していたのか、声もちょっとかすれ気味で高くなってしまっています。それでも視聴者を魅了してやまないのは、これまでの実績があってのことでしょう。長辺3部作の「未婚の貴族」の回でも見られた傾向ですが、自身の体調もあってのことでしょうか、脚本家がジェレミー・ブレットが患っていた躁鬱病を考慮してそういう脚色にしたのでしょうか、第6シリーズでは度々憂鬱症に取り憑かれたホームズを見ることになります。

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